
洋画家・野間仁根による「酒」です。
野間仁根は愛媛県に生まれ、東京美術学校で学んだのち、大正から昭和にかけて活躍した日本の洋画家で、特にきらびやかな色彩と力強い筆致、そしてユーモラスで幻想的なデフォルメを特徴とする独自の画風を確立しました。戦後の日本画壇にあって、明るく前向きな表現を貫いた数少ない存在といえます。
彼のデフォルメされた表現は、20世紀初頭のヨーロッパ美術の動向、特にフォーヴィスム(マティスなど)の影響から出発しています。対象物の固有色にとらわれず、感情や内面的な感動を表現するために、原色や鮮やかな色を大胆に使いました。写実的な再現よりも、色彩や筆致による感情の爆発や生命力の表現を重視した結果、形もまた、感情の赴くままにデフォルメされました。
本作でも、そうした野間のデフォルメ表現と鮮やかな色彩感覚がよく表れています。
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