
棟方志功(むなかた しこう)の木版画
棟方志功(むなかた しこう、1903-1975)の木版画を買取させていただきました。棟方志功は、版画を「板画(はんが)」と称し、木版の特徴を生かした独創的な作品を一貫して作り続けました。極度の近視というハンディをものともせず、版木に向かう棟方の情熱は、作品にほとばしる生命力となって刻まれています。
彼が自らの作品を「柵(さく)」と呼んだのは、四国八十八箇所の参拝者が寺社に納める「納札」に由来し、願いを込めた制作への姿勢を示しています。特に彼の作品は、柳宗悦ら民藝運動の指導者たちとの出会いを通じて仏教的世界観に深く傾倒し、その生命感あふれる画風は確立されました。1955年のサンパウロ・ビエンナーレでの版画部門最高賞受賞、翌年のヴェネツィア・ビエンナーレでの国際版画大賞受賞は、その国際的な評価を決定づけるものとなりました。
本作品も、棟方特有のダイナミックな線と、裏側から彩色を施す「裏手彩色」によって、黒を基調としながらも鮮やかで幻想的な色合いが浮かび上がり、観る者に強い印象を与えます。
買取をご検討中の絵画や古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。
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