
明治から大正にかけて活躍した七宝作家・並河靖之(1845–1927)による「梅鶯模様七宝花瓶」をお譲りいただきました。深みのある黒地に、春を告げる梅の花と枝にとまる鶯が描かれており、日本的な四季の美を端正に表現した逸品です。
並河靖之は、京都を拠点とした七宝作家で、帝室技芸員にも任ぜられた名匠です。彼の作品は「有線七宝(※細い金線で輪郭を区切り、その中に釉薬を流し込む技法)」と「無線七宝(※金線を使わずに自然なぼかしを生み出す技法)」を巧みに組み合わせ、写実的でありながら上品な装飾を実現しました。本作でも、梅の花びらの柔らかな色合いと鶯の羽の自然な表現に、並河独自の高度な技術を見ることができます。
梅と鶯は古来より吉祥の取り合わせとされ、「春の到来」「調和」「長寿」を象徴する文様です。黒地の静かな背景に映える桃色と白の花、そして愛らしい鶯の姿は、鑑賞する人の心を和ませ、自然の美しさをそのまま映し出しています。
保存状態も良好で、釉薬の艶や色彩がしっかりと残っており、長い時を経てもなお新鮮な美しさを湛えています。高さのある端正な形状は飾り映えし、コレクションや展示にもふさわしい存在感を持っています。
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