
竹製の茶合(ちゃごう)
先日、お客様よりお譲りいただいたのは、竹製の素晴らしい茶合(ちゃごう)です。茶合とは、茶葉を茶入や急須に移す際に用いる道具で、茶道において欠かせないものです。
目を引くのは、この茶合に施された見事な彫刻です。古来より仙人や隠者、高僧といった人物は、茶道や文人趣味の世界で好んで描かれてきました。
精緻なその彫りは、衣のひだの柔らかさ、足の指一本一本の写実的な表現、そして何よりも人物の内面を思わせる表情の深さ。これらは単なる装飾を超え、作者の高度な技術と、対象に対する深い洞察が感じられます。
さらに、竹の素材そのものの美しさもこの茶合の魅力です。使い込まれたことによる深い飴色の艶は、時間を経たものだけが持つ、独特の風格を漂わせています。竹の節目や自然な木目が、彫刻と一体となり、より一層の趣を醸し出しています。
この茶合は、単なる道具ではなく、作者の魂が宿る芸術品です。
古美術品には、このように作者の想いや時代の空気が詰まっています。古美術永澤では、一点一点の品物に込められた物語を大切に、丁寧に査定させていただいております。ご自宅に眠っているお品物がございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。専門の査定士が、お客様の大切な品物を心を込めて拝見させていただきます。
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