
酉(とり)の香合
先日、お客様より大変愛らしいお品をお譲りいただきました。柔らかな色合いのこちらは、まるで卵を抱いているかのような姿の鶏を象った香合です。
香合は、香を収納するための小さな蓋物で、茶道では炭点前の際に香を焚くために用いられます。その意匠は多岐にわたり、季節や趣向に合わせて様々なものが使われます。
今回の鶏の香合は、その姿から十二支の「酉(とり)」にちなんだもので、酉年のお正月のお茶会にぴったりの逸品です。
香合を査定する際は、いくつかのポイントがあります。
作家性や窯元は、査定の重要な要素です。例えば、著名な窯元や有名作家の手によるものは、高い評価となる傾向があります。今回のお品のように共箱がある場合は、箱に書かれた銘や落款(らっかん)も貴重な手がかりとなります。
また、意匠も査定のポイントです。愛らしい鶏の表情や、釉薬(ゆうやく)の滑らかさ、そして全体的な造形のバランスなど、その美しさや技術の高さが評価されます。
さらに、保存状態も重要です。欠けやヒビがないか、また、蓋と身がぴったりと合うかどうかも丁寧に拝見します。
古美術品には、一つひとつに物語があります。私ども古美術永澤では、ただ品物の価値を判断するだけでなく、そのお品が持つ歴史やお客様の想いを汲み取り、次へと繋ぐお手伝いをしたいと願っています。
ご自宅に眠っている茶道具や古美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。お客様の大切なお品を、一つひとつ丁寧に拝見させていただきます。
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