
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 藤川駅 佐々木藤三郎(ふじかわえき ささきとうざぶろう)」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は藤川駅)が配されており、歌舞伎役者の二代目尾上多見蔵(おのえたみぞう)が「佐々木藤三郎」に扮している様子が描かれています。
佐々木藤三郎は源頼朝亡き後の権力争いを描いた作品『鎌倉三代記』です。
庄野宿の時政の陣所で、百姓の藤三郎は頼家方の武将・佐々木高綱に似ているとして捕えられてしまいます。高綱本人と疑われ、妻・篝火(かがりび)と対面させられると、篝火は藤三郎を夫と思い嘆き悲しむが、時政は身替りの芝居と見抜き、藤三郎の無実を認めます。ただし再び誤認されぬよう、額に刺青を施しました。藤三郎は敵方に留まる時政の娘・時姫を連れ帰る役を引き受け、途中で謀反を知らせる間者を斬りますが、実は藤三郎こそ高綱で、劣勢の中で仕掛けた大胆な策でした。
藤三郎は前半の軽妙洒脱な道化役めいた所と後半の豪華で貫禄充分な英雄との対比が必要な仕どころある役で、数多くの名優により演じられてきました。
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