
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 日本橋 水売(にほんばし みずうり) 」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は日本橋)が配されており、歌舞伎役者が「水売」に扮している様子が描かれています。
江戸時代、水売りには2種類あり、生活用水を売る水売りと、冷えた水に砂糖や白玉(別料金)を入れる「冷や水売り」がありました。浮世絵の方は後者の「冷や水売り」になります。
江戸は埋立地が多い関係で浅井戸の水では塩気が混じったり、夏は生ぬるくなるため夏になると冷や水売りが繁昌しました。
冷水売りは堀抜井戸の冷たい水を仕入れて、二つの桶に入れて天秤で担ぎ、前の桶には錫(すず)や真鍮(しんちゅう)製の茶碗や、砂糖や白玉団子を入れた屋台と、滝水や冷水と書いた看板をとりつけていました。錫や真鍮の器を使うのは熱伝導率の高さから冷たい水がより冷たくなるからです。
夏の間だけ町に現れて天秤棒に水の桶を前後に担ぎ「ひやっこい、ひやっこい」という声を響かせながら売り歩く姿は江戸の名物でした。
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