
このたび、洋画家・三岸節子による油彩画「静物」をお譲りいただきました。
三岸節子(1905–1999)は、戦前から戦後にかけて日本女性洋画家の先駆けとして活躍しました。
女性が美術界で評価されることが難しかった時代でしたが、彼女は自分の感情や身近な景色を率直に描き続け、独自の地位を確立しました。1994年には女性洋画家として初の文化功労者に選出されました。
本作「静物」は、静物画でありながら、写実を超えて色使いの素晴らしさで強い存在感を感じさせます。
この明るい配色には三岸の特徴が強くあらわれています。早世した夫の好太郎氏が愛した色である黄色が全体を覆い、「節子レッド」と呼ばれるほどの強烈な赤が差し色となり非常に印象的です。特に黄色は三岸自らが「黄色病にとりつかれていた」と語るほど数多くの作品でメインとなっています。本作もそのうちの一作といえるでしょう。
以下、三岸節子「花こそわが命」よりの引用です。
このころ戦前の手持ち絵具のストックにオーレオリンが何本もあって黄色病にとりつかれておりました。オーレオリンに僅か赤色をまぜることによって,黄金のように柔らかな暖かい雰囲気を生じるのがうれしかったのです。
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