
歌川国貞(三代目歌川豊国、1786-1865)は江戸後期から幕末にかけて活躍した浮世絵師で、役者絵や美人画に秀でた人気絵師です。
本作「其姿紫の写絵 第26図(弘化年間、源氏見立絵)」は、全54図揃として制作された源氏物語見立絵シリーズの一枚で、古典の場面を借りながら当時の人物や風俗を重ね合わせる「見立」の手法が用いられています。「見立」とは、古典物語を題材にしつつ、当時の役者や町人を登場させることで観衆に親しみを持たせる手法であり、本シリーズも江戸庶民の知的遊戯として人気を集めました。
夕景の水辺を背景に、艶やかな衣裳の女性と武士風の人物、従者が描かれています。国貞特有の華麗な衣装描写や繊細な色彩表現、背景の移ろいを巧みに表現した、摺りの技術が冴えわたる作品であり、源氏見立絵の代表的な佳品のひとつです。
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