
豊原国周(歌川国周)による三人の役者絵です。大判三枚綴となっており、人気の役者を歌舞伎でも人気の役、侠客として見立てています。
左の沢村納升は江戸歌舞伎の侠客らしく手拭を首に掛けて両手で持ち、「これから盃事(さかずきごと)に臨む」という勇ましい緊張感を表しています。
真ん中の中村福助は袖を通さず羽織って真ん中を押さえており、侠客らしい粋な着方をしつつ、胸や腕の刺青をアピールできる、白浪役者の定番ポーズをとっています。
右の市川九蔵は右手に煙管を、左手に盃を手にし、粋な江戸っ子の気質と侠客の盃事の場面を強調しています。
また、役者が互いに目線を合わせ、体を捻って「見得」を切ることで緊張感を高める、という歌舞伎特有の演技法が使われています。
それぞれの衣装・刺青の模様の違いなどの深い拘りと、背景の鮮やかな青の市松模様のコントラストが見事な作品です。
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