
三代徳田八十吉による九谷焼 燿彩(ようさい)壺
先日、大変貴重な壺をお譲りいただきました。それは、三代徳田八十吉(とくだ やそきち、1933-2009)による九谷焼の壺です。光の加減で深い青紫から鮮やかな青緑へと変化する複雑な色彩は、三代八十吉の代表的技法である「燿彩(ようさい)」が存分に活かされた逸品です。この卓越した技法が評価され、1997年に人間国宝に認定されています。
三代徳田八十吉は、九谷焼の伝統を受け継ぎながら、独自の表現技法を完成させた現代を代表する作家です。燿彩は、釉薬を重ね、多層に焼成することで、光の当たり方や角度によって変化する色彩美を生み出します。見る角度によって表情が異なる神秘的なグラデーションは、陶磁器としての実用性と美術品としての価値を兼ね備えています。
今回お譲りいただいた壺も、三代徳田八十吉が追求した燿彩の魅力をよく表現しており、その美しさを存分に堪能できる逸品です。
九谷焼は、石川県加賀地方で江戸時代前期に生まれた伝統陶磁器です。加賀百万石の文化に育まれ、華やかな絵付けや鮮やかな色彩で知られます。明治期には「ジャパンクタニ」として世界に名を馳せました。現代においても、徳田八十吉のように伝統を継承しつつ、新たな釉薬表現を追求する作家によって、九谷焼の魅力は脈々と受け継がれています。
私ども古美術永澤では、九谷焼や三代徳田八十吉の作品をはじめとする陶磁器、骨董品、美術品の査定・買取を承っております。お客様の大切なお品物の価値を丁寧に見極め、適正な価格での買取をご提案いたします。
ご自宅に眠る九谷焼や陶磁器、骨董品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な査定士が、作品の背景や技法を丁寧に紐解き、次の世代へと繋ぐお手伝いをさせていただきます。
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