
日本画家・平山郁夫による「黎明の富士」です。本作は、黎明の光に浮かび上がる荘厳な富士山を題材としたリトグラフで、雪を頂く山肌と澄んだ空の対比が美しく、画面に静謐な緊張感を与えています。手前に描かれた木々の影は、富士の大きさと圧倒的な存在感を際立たせており、日本的な自然観を端的に示す構成となっています。
平山郁夫といえば、シルクロードを主題とした作品群で世界的に知られますが、日本の象徴ともいえる富士山もたびたび題材としました。彼にとって富士は、単なる自然風景に留まらず、日本人の精神性や美意識を映し出す象徴的存在として捉えられていました。そのため本作もまた、自然美の中に精神的な荘厳さを込めた一枚といえます。
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