
こちらは江戸の花名勝会のうち「り 十番組 松本幸四郎/今戸の朝烟/今戸」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵は歌舞伎の演目「助六」に登場する髭の意休(伊久)を演じる六代目 松本幸四郎が描かれています。意休は吉原の遊廓に通い詰める、権力と財力を持った大金持ちの武士です。
主人公の助六と意休は、花魁・揚巻を巡って争います。揚巻に横恋慕する意休が彼女を我が物にしようと迫りますが、揚巻は助六への一途な愛を貫き、意休をやり込めます。この揚巻の「助六を讃える長台詞」と、そこに助六本人が傘の中から現れるシーンは、歌舞伎屈指の名場面として知られています。
また、上と右下には今戸焼の窯と、人形が描かれています。隅田川の良質な土を活かし、日用雑器から「今戸人形」と呼ばれる招き猫や狐などの土人形が江戸庶民に広く愛されました。
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