
こちらは三代 歌川豊国・歌川広重「双筆五十三次 袋井 女順礼(女巡礼)」です。
双筆五十三次は広重と三代豊国の合作で、広重が画面上部の「コマ絵(窓枠のような小さな枠)」に各宿駅の風景を描き、人物を三代豊国が描いた大判錦絵 全55図の連作です。
本図は抜け参り(奉公人などが主人に無断で、または子供が親に無断で参詣したこと)の女性が柄杓を差し出してお布施をもらっている場面が描かれています。兄弟とおぼしき若い娘と少年が描かれており、少女は背中に菅笠を背負い、着物の上には「笈摺(おいずる)」と呼ばれる白い袖なしの羽織を着物の上に重ねています。赤字の部分には「三十三番巡礼」の文字。傘にみえる「同人二人」は、四国八十八所巡礼では弘法大師が一緒に歩いているという意味です。同行者の人数を書く場合もあり、本図の場合は西国三十三所巡礼であるからそっちであると思われます。少女は首からたくさんの納札(名前や出身地、生年などを書き、巡礼先の霊場で納める札)をかけています。袋井宿は、昔この地の四方が丘で、その中央に袋のような田園があり、大きな泉があったからという地名の由来とされています。コマ絵では遠景まで田畑が広がり、手前の道に大きく馬の尻が捉えられ、中央の集落が袋井淑人思われます。
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