
こちらは三代 歌川豊国・歌川広重「双筆五十三次 金谷 ごぜ」です。
双筆五十三次は広重と三代豊国の合作で、広重が画面上部の「コマ絵(窓枠のような小さな枠)」に各宿駅の風景を描き、人物を三代豊国が描いた大判錦絵 全55図の連作です。
頭に朝顔の髪飾りを付け、朝顔が描かれている扇子を持っている女性の名は深雪。人形浄瑠璃や歌舞伎の「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」の登場人物として知られています。宇治の螢狩りで深雪は儒者の宮城阿曽次郎と出会い、恋人となり、阿曽次郎との再会や悲しい別れを経て、深雪には縁談の話が来ます。相手の駒沢次郎左衛門が実は改名した阿曽次郎であることを知らずに、深雪は悲嘆にくれて家をでたその後、失明した深雪は瞽女(ごぜ)となり、朝顔と名乗って東海道を彷徨います。本図に描かれているのは瞽女となった深雪で、その背後にあるのは琴の入った包み。手に持っている扇子は、宮城阿曽次郎が朝顔の歌を書いて、深雪に送ったものです。深雪が阿曽次郎を追い、大井川を越えて金谷方面を目指す場面があることから、本図は金谷宿と結びつけられていると考えられます。
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