
こちらは江戸の花名勝会のうち「を 十番組 中村歌右衛門/下谷広徳寺/下谷」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には四代目 中村歌右衛門が描かれています。四代目 中村歌右衛門は体格、容貌に恵まれ、世話物より時代物を得意とし、所作事に優れたといわれています。
上部に描かれた広徳寺は小田原城落城ののち小田原から、徳川家康が神田に再興、寛永12年(1635)当地に移転された寺院で、「びっくり下谷の広徳寺」と詠まれるほど広大な敷地を擁していたそうです。会津藩主松平氏、柏原藩織田氏、阿波藩蜂須賀氏等の菩提寺として、江戸屈指の禅林と仰がれていましたが、明治維新後は檀家としての諸大名がなくなり、さらに関東大震災により寺院のすべての建物が残らず、荒廃してしまったといいます。
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