
こちらは江戸の花名勝会のうち「わ 八番組 坂東村右衛門/池の端長井庄/池の端仲町」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には曲亭馬琴の読本「南総里見八犬伝」に登場する田舎相撲の大関「石亀屋次団太(いしがめやじだんだ)」に扮する坂東村右衛門が描かれています。石亀屋次団太は、八犬士の一人で、犬阪毛野(いぬさかけの)の進言により無実の罪から釈放された人物です。望遠鏡は眺めがよい地点から遠くを見る場合に使われ、作品自体にそういった望遠鏡をのぞく演出はないので、当時人気の展望スポット湯島から不忍池(左下)を眺めた様子をイメージして描かれた見立絵になっています。
左下の不忍池、不忍池の中には琵琶湖の竹生島に模した中島が人工的に築かれて、弁天様が安置されています。この結果「不忍池に行けば、江戸に居ながらにして琵琶湖周遊気分を味わえる」と、江戸を代表する観光名所となりました。
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