
こちらは江戸の花名勝会のうち「わ 八番組 沢村田之助/上野清水秋色桜/上野」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には上野清水の井戸端で有名な俳女「お秋(秋色女)」に扮した沢村田之助が描かれています。沢村田之助は美貌と美声、実力によって三都の人気を博した女形だったため、田之助髷、田之助襟、田之助下駄など、その名を冠した商品が出回るほどの人気の歌舞伎役者です。
また、お秋とは江戸前期の女流俳人で、13歳のときに上野へ花見に来て、枝垂桜の近くにある井戸のあたりにいる酔客を見て「井のはたの 桜あふなし 酒のよい」という句を詠み、桜の木の枝に結びつけたそうです。お秋がのちに秋色女(しゅうしきじょ)という名の俳人になったことにちなんで、「秋色桜」と呼ばれるようになったと伝えられています。
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