
こちらは江戸の花名勝会のうち「あ 三番組 嵐雛助/麻布」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には「六孫王経基(ろくそんのうつねもと)」に扮した嵐雛助が描かれています。六孫王経基とは皇族に籍していた時の源経基(みなもとのつねもと)の名前です。源経基は平安時代中期(10世紀頃)に活躍した武将であり、後に鎌倉幕府を開く源頼朝や、室町幕府を開く足利尊氏らの先祖にあたる「清和源氏(せいわげんじ)」の初代(始祖)となった人物です。
また、それに関連して左下に源経基の伝説にでてくる「麻布の一本松」が描かれています。平将門を討伐にきた源経基が、将門の屋敷内を内偵しての帰り道、一軒の民家に泊まって料理をふるまわれた。経基は翌朝、装束をあらためて出立しましたが、そのとき脱いだ衣服をかけたのがこの一本松だといわれています。
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