
こちらは江戸の花名勝会のうち「し 五番組 市川九蔵/麻布今井荘/今井」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には「今井四郎兼平」に扮した市川九蔵が描かれています。本図には凧が多く描かれていますが、江戸時代には「いかのぼり」と呼ばれていました。「凧」という文字は漢字ではなくて国字、日本で作られた文字です。
おもに関西では「いか」「いかのぼり」と読み、 関東などでは「たこ」と呼びました。形が烏賊(いか)や蛸(たこ)に似ているからですが、 中国から伝わった、紙で作った鳶(とび)という意味の「紙鳶(しえん)」という表記も使われます。江戸中期以降、凧揚げは庶民の娯楽として大ブームを巻き起こしました。しかし、夢中になりすぎて屋根から落ちる人や、喧嘩による死傷者まで出る事態に。事態を重く見た江戸幕府は、1655年に町中での凧揚げを禁止する令を出したそうです。
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