
こちらは江戸の花名勝会のうち「ゑ 五番組 市川団蔵/赤羽根向水天宮/赤羽根」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には歌舞伎『義経千本桜』の「渡海屋・大物浦」に登場する「新中納言平知盛(しんちゅうなごん たいらのとももり)」に扮した市川團蔵が描かれています。義経千本桜』の「渡海屋・大物浦」の段は、壇ノ浦で死んだはずの知盛が、船宿の主人・渡海屋銀平に姿を変え、源義経の命を狙う物語です。クライマックスの「碇知盛」では、白装束に朱鞘の長刀を持ち、体中に矢傷を負いながら巨大な碇を担いで海へと沈んでいく壮絶な姿が最大の見せ場となります。左下には現在の港区三田(赤羽橋周辺)にあった、久留米藩有馬家の上屋敷と、その邸内に祀られていた「赤羽根向水天宮(あかばねむかいすいてんぐう)」が描かれています。奥には江戸のシンボルでもあった火の見櫓(ひのみやぐら)が描かれています。
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