
こちらは江戸の花名勝会のうち「十三 北組 沢村田之助/宮戸川番場河岸/番場」です。
「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「貼交絵(はりまぜえ)」。江戸町火消「いろは四十八組」の各組を代表する名所旧跡を紹介する形で、絵には各組の纏が描かれ、また、その地にゆかりの歌舞伎の演目、当時の人気歌舞伎役者などが描かれています。
役者絵には歌舞伎『桂川連理柵』の登場人物「丁稚長吉(でっちちょうきち)」に扮した美貌の女形として人気を博した澤村田之助が描かれています。長吉は、物語の鍵を握る信濃屋の丁稚です。ヒロイン・お半に横恋慕して騒動を引き起こす重要な役回りであり、歌舞伎や文楽では滑稽味と哀愁をあわせ持つ役柄です。
左下に描かれている番場河岸(ばんばがし)は、かつての江戸(現在の東京都墨田区東駒形・本所エリア)にあった隅田川沿いの河岸(かし)です。江戸時代から明治時代にかけて、水運の拠点や風光明媚な場所として知られており、浮世絵にも多く取り上げられています。
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