
こちらは豊原国周の梅幸百種之内「音聞天竺徳兵衛(おとにきくてんじくとくべえ)天竺徳兵衛(てんじくとくべえ)」です。
「梅幸百種(ばいこうひゃくしゅ)」とは、梅幸という歌舞伎役者が扮した100種の役を豊原国周(とよはらくにちか)が版画であらわしたもので、梅幸とは幕末から明治にかけて活躍した名優、五代目 尾上菊五郎の俳名です。全100図にわたって描き出した国周の晩年の代表作として知られています。
歌舞伎「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」は、異国帰りの天竺徳兵衛が異国話を語る面白さと、大蝦蟇(がま)の妖術を使って日本国を乗っ取ろうとする奇想天外さが魅力の演目です。本当の水を使った水中の「早替り」や、舞台の建物を崩したり倒したりして観客の度肝を抜く、「屋台崩し」などの豪快な演出も見どころです。主人公の天竺徳兵衛には、実在したモデルがおり、播州高砂(現在の兵庫県高砂市)出身の商人で、江戸幕府が鎖国をする前の寛永年間に御朱印船(ごしゅいんせん16末~17世紀初頭の一時期に行なわれた官許の貿易船)で2度、シャム(タイ)と天竺(インド)に渡った人物だったそうです。
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