
こちらは豊原国周の梅幸百種之内「相馬禮高幾久月 善知安方(うとうやすたか)」です。
「梅幸百種(ばいこうひゃくしゅ)」とは、梅幸という歌舞伎役者が扮した100種の役を豊原国周(とよはらくにちか)が版画であらわしたもので、梅幸とは幕末から明治にかけて活躍した名優、五代目 尾上菊五郎の俳名です。全100図にわたって描き出した国周の晩年の代表作として知られています。
「善知安方」が登場する『善知鳥安方忠義伝(うとうやすかたちゅうぎでん)』は、山東京伝作、歌川豊国画により1806年に刊行された読本です。平将門の遺児たちによる反乱計画と、善知安方夫婦の忠義と受難が交錯する未完の復讐・伝奇物語となっています。常陸国の浪人・大宅太郎光国は、行方不明の妻と父の形見の宝刀を捜す旅の途中で、善知鳥安方とその妻の夫婦に出会います。安方の妻は将門の遺臣にさらわれるなどの受難に遭い、安方自身も非業の死を遂げることになります。非業の死を遂げた安方は亡霊(怨霊)となり、死してなお将門の遺児たちによる反乱計画を妨害し続けます。
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