
こちらは三代 歌川豊国・歌川広重「双筆五十三次 戸塚 旅人宿女」です。
双筆五十三次は広重と三代豊国の合作で、広重が画面上部の「コマ絵(窓枠のような小さな枠)」に各宿駅の風景を描き、人物を三代豊国が描いた大判錦絵 全55図の連作です。
戸塚宿は東海道5番目の宿場町。戸塚、吉田、矢部という3つの町からなり、本陣や脇本陣は戸塚町にありました。旧東海道の「戸塚宿」は、江戸・日本橋から十里半(約42km)に位置し、当時の旅人が1泊目の宿を取る主要な宿場町でした。本図は画面中央手前に燭台が描かれ、ろうそくに火がともっていることから旅籠屋での夜の一場面を描いたものと想像できます。旅先での宴会の様子と思われ、酒肴を旅籠の女中に持ってくるように頼んでいるように見えます。
旅籠屋は食事を供給する宿屋で、旅人が食料を携帯して自炊をする木賃宿とは区別されています。給仕などを務めた飯盛女(めしもりおんな)と呼び、単なる給仕女ではなく、宿駅において遊女にかわって出現した売春婦だったそうです。
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