
こちらは三代 歌川豊国・歌川広重「双筆五十三次 平塚 給仕女」です。
双筆五十三次は広重と三代豊国の合作で、広重が画面上部の「コマ絵(窓枠のような小さな枠)」に各宿駅の風景を描き、人物を三代豊国が描いた大判錦絵 全55図の連作です。
本図は旅籠屋での給仕の様子を描いたものです。旅籠屋とは街道の各宿場に置かれた、朝晩の食事をだす宿の事。本図の題材である平塚宿には天保14年の記録では54軒の旅籠屋がありました。宿場町には旅籠屋だけでなく、より安価に泊まれる木賃宿もあり、こちらは米などの食材は客の持ち込みで、薪代を払って調理してもらえる仕組みとなっていたそうです。宿泊費は江戸後期で上等の旅籠で最高300文(現在の約3000円)くらい、一番安い旅籠で100文(約1000円)くらいでした。旅籠の食事は、飯・汁・香の物のほか、皿に焼魚か煮魚、平椀(ひらわん)に野菜類の煮物というのが標準的な献立でした。普通この献立形式を、香の物も加えて「一汁三菜」と呼び、現在の私たちの日常の食事形式になっています。
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