
こちらは三代 歌川豊国・歌川広重「双筆五十三次 吉原 西行」です。
双筆五十三次は広重と三代豊国の合作で、広重が画面上部の「コマ絵(窓枠のような小さな枠)」に各宿駅の風景を描き、人物を三代豊国が描いた大判錦絵 全55図の連作です。
蔦の絡まる木の幹越しに、美しい富士山を望み、膝を抱えて座り込む墨染衣の老人は、西行法師です。平安末期から鎌倉初期に生きた西行は、剃髪後諸国を行脚し多くの和歌を残しました。晩年、奥州へと旅をする西行がその途中で富士山を詠んだ歌
「風になびく富士の煙の空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな」
このことから、絵画でも西行を富士とともに描くことがしばしばなされたと言われています。また、吉原附近は「左富士」と呼ばれる、通常江戸方面から東海道を進む旅人は右手に富士を眺めるが左側に見える冨士見の名所となっています。
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