
こちらは三代 歌川豊国・歌川広重「双筆五十三次 島田 大井川 旅女」です。
双筆五十三次は広重と三代豊国の合作で、広重が画面上部の「コマ絵(窓枠のような小さな枠)」に各宿駅の風景を描き、人物を三代豊国が描いた大判錦絵 全55図の連作です。
本図には源氏香模様の入った手ぬぐいを姉さん被りし、管笠を首からぶら下げ、左手に煙管入れを持って居る女性が描かれています。女性のかたわらにはハシゴのような形のようなものが置かれている。これは「輦台(れんだい)」といって、川の徒歩渡しで旅人を乗せる道具のこと。江戸時代、旅人にとって大井川は、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謡われるほど東海道の難所のひとつで、肩車や輦台で大井川を渡っていました。図に描かれているのは最も簡素な平輦台で、4人あるいは6人でかつぎます。輦台は料金に応じていくつかの種類があり、低い手すりのある半高欄輦台、高い手すりのついた大高輦台などがありました。また、より安価に川を渡りたい場合、輦台は使わずに肩車で川越をする方法もありました。大名や貴族などを乗せる、もっとも大きな大高輦台ともなると、人足は2、30人に達したそうです。
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