
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 由井 志のぶ (ゆい しのぶ) 」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は由井)が配されており、歌舞伎役者が「志のぶ(信夫)」に扮している様子が描かれています。
信夫は「宮城野・信夫姉妹の仇討ち(みやぎの・しのぶのあだうち)」の登場人物で、父の仇討をする妹の名です(姉の名は宮城野)。
百姓の姉妹は親の恨みを晴らすため,剣術家「由井正雪(ゆいしょうせつ)」を訪ね、仇討のため姉は鎖鎌、妹は薙刀の稽古をつけてもらいます。また,正雪の妻が二人に女としてのたしなみを教えるなどし,三年の後には器量・立ち居振る舞いとも門弟一となります。
3年の修行の末、見事に仇討を成功させた姉妹は、武士を殺した罪を償うためにとその場で自害しようとしたが,周りの人々に止められて思い留まり,姉妹揃って髪を下ろして生涯仏に仕えて暮らしたといわれています。
若く美しい姉妹の孝心、血のにじむような稽古の果ての仇討ちというドラマチックな展開で魅力の演目は題材には十分ですが、百姓姉妹の仇討ちは史実でも伝えられています。
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