
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 草津駅 鬼若丸 (くさつえき おにわかまる)」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は草津駅)が配されており、歌舞伎役者が「鬼若丸」に扮している様子が描かれています。
鬼若丸とは平安時代末期の僧で源義経(みなもとよしつね)の郎党である武蔵坊弁慶(むさしのぼうべんけい)の幼名です。
母の胎内に18ヶ月いて、生まれたときには2、3歳児の体つきで、髪は肩を隠すほど伸び、歯も生えそろっていたことから、父は鬼子だとして殺そうとするも、叔母に引き取られて鬼若[と名付けられ比叡山に預けられます。
比叡山横川の池で身の丈八尺(約2.4m)もある巨大な鯉が暴れ、女子供を食い殺し、人々を苦しめているのを聞いた鬼若丸は短刀ひとつ携えて池に飛び込み激闘の末、見事に鯉を退治したという伝説があります。
この伝説は、鬼若丸の並外れた怪力と勇気を象徴しており、立身出世や勇気の縁起物としても知られ、浮世絵や祭りなどの題材にもなっています。
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