鳥居清貞「歌舞伎十八番 矢の根(やのね)」

鳥居清貞「歌舞伎十八番 矢の根(やのね)」

こちらは、鳥居清貞の浮世絵「歌舞伎十八番 矢の根(やのね)」です。

 

九代目 市川団十郎「歌舞伎十八番」は、明治28年(1895年)発行の錦絵シリーズで鳥居忠清と、その父である鳥居清貞との合作です。
歌舞伎十八番とは、初代~4代までが得意とした十八の歌舞伎演目のことです。

 

本図に描かれているのは歌舞伎演目『矢の根』に登場する九世 市川團十郎が演じる「曽我五郎時宗(そがのごろうときむね)」です。

新年の曽我の里、父の仇を討つために、曽我五郎時致が大きな砥石を使って荒々しく矢の根(矢じり)を研いでいます。そこへ初夢を見て飛び起きた五郎の前に、兄・曽我十郎の生霊が敵の館に捕らえられたことを告げて助けを求めます。それを聞いた五郎は、大急ぎで馬に乗り、兄を助けに向かうという内容です。新年ということもあり、田作り・なます・昆布巻・海老など、おせち料理を読み込んだセリフで、敵討ちの意志を威勢よく語る場面や初夢など新年を祝う華やかさと荒事の豪快な魅力が詰まった新春歌舞伎の定番で、現在も人気の作品です。

 

 

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