
月岡芳年(1839-92)による浮世絵「月百姿 左側: 堅田浦乃月 斎藤内蔵介(かただうらのつき さいとうくらのすけ)/右側: 田毎ある中にもつらき辻君の かほさらしなや運の月かけ 一とせ」です。
「月百姿(つきのひゃくし)」は月をテーマとした全100点揃の大判錦絵で、のべ8年を掛けて完結し、月岡芳年(つきおかよしとし)の最後の大作・代表作の一つと評価されています。
「堅田浦乃月 斎藤内蔵介」という題名の斎藤内蔵介はこと明智光秀の家老「斎藤利三」のことです。1582年の山崎の戦いで光秀が敗れた後、利三が再起を計るも、近江の堅田(現在の滋賀県大津市)で捕縛される直前の瞬間を描いています。近江の堅田で捕縛された後、利三は六条河原で斬首される。
「田毎ある中にもつらき辻君の かほさらしなや運の月かけ 一とせ」は、「一とせ」という娼婦が詠んだ歌です。歌にある「辻君」とは、辻に立って客に身を売る下級の娼婦を皮肉って、辻の君と呼んだもので、夜に客引きするため声を発するので、夜の鳥「夜鷹」とも言います。そのほとんどが厚化粧をした年配の女性であり、黒い着物に手ぬぐいを被り、茣蓙(ござ)を抱えるというのが典型的なスタイルであったと言われています。
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