
こちらは「東海道名所風景 左側: 河鍋暁斎「東海道名所之内 御能拝見之図」/右側: 河鍋暁斎「御能拝見朝番」」です。
「東海道名所風景」は文久三年の四月から七月にかけての改印を持つ160点以上におよぶ大判錦絵竪形の揃物で16人の浮世絵師によって描かれた作品です。十四代 将軍徳川家茂の上洛を題材にしており、「御上洛東海道」、「合作東海道」などと呼ばれています。
どちらも「御能拝見」という町民も能鑑賞ができる「町入能」の様子が描かれています。江戸時代では将軍代替わりなどの慶事の際には、本丸御殿大広間前の表舞台で能が催されました。御三家・諸大名とともに、町方からも八百八町の家主など一町のうち2名が招かれ、裃を着けた町人が青竹を巡らした大広間の白州で能を観賞しました。町人には饅頭や、昼食時には御握りなどの弁当も出され、また、晴雨にかかわらず傘を与えるのが慣例となっていた。当図でも傘を持ち騒ぐ様子が描かれています。暁斎は10代の頃から能や狂言の稽古に通ったといわれ、舞台を知り尽くした絵師ならではの表現が魅力的な作品です。
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